変わり果てた実家。私の知らない母。実家に戻って住もうなどと、その時は夢にも思っていなかったのに。
ローテーブルの上に、割りばしが突っ込まれたままのカップ麺や缶詰、茶色いお惣菜がこびりついたプラスチック容器、半分セメント色したミカン、黒炭のようなバナナの皮等々の食べ残し、残骸が溢れている。ちょっとしたゴミ屋敷だ――。
どんな状況だって、病気だって、「ポンコツ」な人はいない。でも、愛を持って私は家族を「ポンコツ」と呼ぶ。
ポンコツ一家
著者/にしおかすみこ
発行/講談社